前立腺がんのためのロボット支援下前立腺全摘除術や開腹手術後の勃起不全治療
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勃起不全は前立腺全摘除術による前立腺がん外科治療でよく見られる副作用です
勃起不全は全ての前立腺全摘除術に関連しますか?
ある程度は、EDは全ての前立腺全摘除術に関連しています。術前ほど良い勃起を術後に得ることができません。患者の年齢と術前の勃起の質が、術後の勃起の質を予測する最も重要な要素です。45歳以下の男性は術後も勃起を維持できる可能性が高いです。
前立腺がんの治療を受けるほとんどの男性は50歳以上で、そのうちの多くが術前から勃起の問題を抱えています(以前と比べて勃起が硬くない、勃起を維持したり得たりするのが難しい)。多くの男性がバイアグラ(Viagra)、シアリス(Cialis)、レビトラ(Levitra)、Stendraといった薬剤を前立腺がんの手術前に服用しています。術後の勃起は、バイアグラ(Viagra)やシアリス(Cialis)のような薬剤をもってしても、術前ほど良くなることは稀です。
前立腺切除術後の勃起不全は治りませんか?
多くの男性が、手術後、少なくともある程度の勃起機能を取り戻しますが、大半は勃起を得るのに薬剤の助けが必要です。若い男性の方が性的機能を取り戻す可能性が高いです。
前立腺全摘除術や前立腺がんのための放射線治療、神経温存前立腺全摘除術も含め、術後の勃起不全治療は多くの男性が必要としていることだと知っておくことが大事です。勃起を維持できる高い成功率を誇ると外科医が伝えたら、その成功というのは「バイアグラ(Viagra)やシアリス(Cialis)のような薬剤によって勃起を得られる能力」であるということを認識することが重要です。
前立腺がんのための前立腺摘除術後のEDの原因
前立腺全摘除術の間に、陰茎の神経(海綿体神経)は損傷を受けることが多く、場合によってはがんとともに摘除されてしまいます。神経温存前立腺全摘除術は、なるべく多くの神経を残すようにする手術です。現在行われているほとんどの前立腺がん手術は「神経温存」手術です。私の場合、90%程度の患者に対して神経温存手術を行っています。
しかし、高リスクで悪性度の高いがん(グリーソンスコア 7~10、高い前立腺特異抗原、触知可能もしくは硬い前立腺)を抱える患者については、全てのがん組織を摘除することが重要なので、前立腺付近の神経線維にある海綿体神経も取り除かなければいけないことがあります。
神経温存手術後の勃起不全の期間:
- 開腹手術、ロボット支援下/腹腔鏡手術のいずれであっても、勃起不全は神経温存手術から通常少なくとも3~12か月は続きます。
- この間、自発性勃起が起こることもあるかもしれません。
- 勃起不全の治療をなるべく早く開始することが重要です。治療を先延ばしにすると患者の人間関係や自尊心に影響を与える可能性もあり、治療を遅らせても良いことはありません。
前立腺全摘除術後の陰茎リハビリテーション
陰茎リハビリテーションプログラムは男性の性的機能回復速度を上げると言われています。通常、術後すぐの期間は、性的機能を回復させるためにシアリス(Cialis)やバイアグラ(Viagra)のような薬剤や陰茎への注射が使用されます。陰茎への注射にはプロスタグランジン(prostaglandin)やトライミックス(Trimix)といった薬剤が使用されます。真空勃起装置も使われています。
患者が神経温存前立腺全摘除術を受けられるかどうかは多くの要素に基づいて検討されます:
腫瘍の位置:
- もし腫瘍が神経に侵入している、もしくは神経に近接している場合、腫瘍を残す他に勃起不全を防ぐ方法はありません。
ロボット支援下前立腺全摘除術後の勃起不全のリスクは以下に基づきます:
- 年齢 – 患者の年齢が上がるにつれて、術後に勃起不全になる可能性は高くなります。これは年を取るにつれて発症する血管系疾患の潜在的なリスク上昇と関連していると言えます。血管系疾患自体がとても軽いものであっても、それが他の症状として現れることもあります。
- 糖尿病 – 糖尿病患者が勃起不全になるリスクは高い傾向にあります。前立腺摘除術のストレスによってバランスを崩し、EDを引き起こしやすくする潜在的な障害の早期発症につながるかもしれません。
- 高血圧 – 勃起不全は高血圧の男性によく見られる障害です。高血圧は陰茎に血液を届ける小さな血管に影響を及ぼします。高血圧の男性全員が勃起不全を発症するリスクを抱えています。前立腺がん治療を行うと、すでに血管が影響を受けている状態に加えて神経にも影響を与えるため、問題がより大きくなる傾向にあります。
- 冠動脈疾患(CAD) – 心疾患は、心血管が影響を受けるのと同様に、陰茎への血管にも影響を与えます。
- 元々の勃起の質(患者は勃起を簡単に得られるか?維持できるか?十分に硬いか?)
- PDE-5阻害薬の使用〔シルデナフィル(sildenafil)、バルデナフィル(vardenafil)などを手術前に使用していたか〕
- 外科処置の方法
前立腺がんのための前立腺手術〔前立腺全摘除術(RALP)〕後の治療選択肢とは?
EDの徴候や症状があった場合、前立腺全摘除術の前に勃起不全の治療を始めることが多くの男性にとって必要です。
一般的に、2つの治療選択肢があります。
- 非外科的治療
- 外科的治療
前立腺全摘除術後EDの非侵襲・非外科的治療:
これらは薬剤による治療です。下記のような薬剤が使用されるでしょう(ただし、両側の神経温存手術を受けた患者に限ります)。
- シアリス(Cialis)
- バイアグラ(Viagra)
- レビトラ(Levitra)
陰茎注射治療:
勃起機能を助けるためにプロスタグランジン(prostaglandin)やフェントラミン(phentolamine)の海綿体内注射を行います。性交渉前に毎回注射を打つ必要があります。成功率は最高80%です。陰茎への注射が前立腺全摘除術後の性的機能を改善するということは、研究でも示されており、研究では下記のような結果が見られました。
- 勃起の改善
- パートナーとの関係の満足度改善
- 性交渉における自信の向上
神経移植
腓腹神経移植が過去に行われていましたが、一貫した成果は得られませんでした。現在では、通常実施されていません。
外科的治療:陰茎インプラントによる効果的なED治療
陰茎インプラントはレビトラ(Levitra)やシアリス(Cialis)、バイアグラ(Viagra)などの薬剤による効果が見られない男性に適した治療選択肢です。
https://www.youtube.com/watch?v=nwbtqmxfTMc&index=5&list=PLDX0bW3_JUH0ueNMDGu9qcQ9ZYu443af8
もっと知りたい方へ:
- ED治療用の陰茎インプラント(可膨張性の人工陰茎) – New York Urology Specialists
- ニューヨーク市でのED衝撃波治療(MediSpec1000やRenessaを使ったEDSWT)
- MUSE〔経尿道アルプロスタジル(alprostadil)〕による勃起不全治療
- ニューヨーク市の真空勃起装置(VEDポンプ)による勃起不全治療
知っておくべきこと:
- 薬剤を使わないED治療 – EDの衝撃波治療が前途有望
- EDの治療:PDE5阻害薬 – バイアグラ(Viagra)、シアリス(Cialis)、レビトラ(Levitra)、Stendra
- 体内注射治療(ICI)
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Alex Shteynshlyuger医師は、委員会認定の泌尿器科医で、ED、早漏、その他の性交渉に関連する懸念を含む、性的障害の治療のあらゆる面を専門としています。EDや低リビドーといった性的問題を抱える何百もの患者の治療に成功してきました。
当院では、ニューヨーク市(マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランド)、ロングアイランド、ウエストチェスター、ニュージャージーのようなあらゆる地域から来た患者や、米国内の他の地域からの患者、カナダ、南アメリカ、カリブ海、その他の海外からの患者を診察しています。また、当院では、泌尿器系疾患を持つ患者の緊急治療も行っています。